Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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さかだちこぞうさん

さか立ち小僧さん

小川 未明

Lee さか立ち小僧さん (さかだちこぞうさん) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 6958 caracteres · 14 pantallas

Aozora Bunko

「そうかなあ、空気が澄んでいるんだね。」と、まだ知らない北国をふしぎなところのように思うのでした。

秀吉は、自分の故郷について、みんながめずらしがると、とくいになって、

「ちょうど、大雨のあと、小石がたくさん、頭を地面へ出すだろう。あれと同じように、夜がふけると、青、赤、緑と、一つ一つ空に星の光が、とぎ出されるのさ。」と、秀吉はいって、さながら、わが家の前に立って、まのあたり空を見ているように、なつかしそうでありました。

やがて、みんなと別れて、彼は工場の二階の一室へもどりました。しかし、床についてからも、すぐに眠れませんでした。まくらに頭をつけながら、居酒屋の前に立つ、高いかしの木を目に浮かべていました。その木の下には、黒がすわっています。そして、黒は、毎日のように、ゆき来の旅人を見送っています。黒は、おれが、どうして、やってこないのだろうと思っている。秀吉は、いつのまにか泣いているのでした。目から落ちる涙が、まくらをぬらすのでした。

だんだん、日が短くなりました。いつしかひぐらしの声もきこえなくなりました。しかし、子どもたちも、あまり、それを気にとめるものがなかったほど、自然のうつり変わりは自然でした。