Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lee さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 210.521 caracteres · 415 pantallas
七の一
「あにい知ってるか」と或るとき金太が云った、「才次のやつは伝馬町へ移されたぜ」
叺に詰めた牡蠣灰を、灰焼場から船へ積み込んでいるときで、二人とも頭から灰だらけになっていた。
「いつのことだ」
「三日めえだ」と金太が云った、「あにいは知らなかったらしいな」
「どうして移された」
「しゃばでやって、隠してたことがばれたらしい」金太はさかしげに云った、「よくわからねえが、なにかでけえことをやらかして、その罪をごまかすためにちっちゃなことをやって寄場へもぐっていたらしい、そんなような話だったよ」
「ような話なんぞするな」と栄二が云った。
「だって才次の野郎はあにいを恨んでたろう」と金太は云った、「いつでも隙があったら喉笛へくらいつきそうな顔をしてたぜ」
「だからどうだってんだ」栄二は叺を担ぎあげながら云った、「おらあそれを待ってたんだぞ」
金太はだらっと口をあいた。
七の一
可哀そうに、と栄二は思った。才次とはもういちどやるつもりだった、あのときは自分が先手を取ったけれども、こんどは才次のほうでも用心するだろう、対等で勝ち負けをきめることができる。庇ったり劬ったり、慰めや励ましにはごまかしがある。