Clásicos japoneses con furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lee さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 210.521 caracteres · 415 pantallas
「あとで」とおそのがきめつけた、「姉さんてばいつでもあたしのまねばかりするのね、邪魔しないでよ」
栄二は着物をひろげてみて、きれいだなと云った。これだけ大きな資産家の娘なら、京染めの友禅ぐらいなんでもないだろうのに、わざわざ人を呼んで見せるところに、この姉妹の気取らない、下町っ子らしい開放的な性質がよくあらわれていた。
妹に決めつけられた姉のおきみは、きげんを悪くするでもなく、そろそろと自分の箪笥をあけた。その裾模様というのを出すつもりであろう、けれどもおそのはそれより早く、こんどは帯を見せてあげる、と云いながら、下の抽出をあけたとたん、悲鳴をあげてとびあがり、両手で栄二に抱きついた。
「こわい」とおそのは栄二にしがみつきながら叫んだ、「鼠よ、鼠がいるのよ」
おきみも吃驚してうしろへさがり、栄二はおそのの腕を放そうとした。だがしがみついたおそのの力はおどろくほど強く、すぐにはふり放すことができなかった。
「放さなくっちゃだめだ」と栄二が云った、「それじゃあ鼠が追えやしないよ」
「いや、こわい」とおそのはもっと腕に力をいれた、「あたし息が止りそうよ」
「鼠を追っぱらうんだから」