Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lee さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 210.521 caracteres · 415 pantallas

Aozora Bunko

そのとき与平が、茶の支度をして炉端からこっちへ来るところであった。

「いつもおみまいで御苦労ですね」と与平は云った、「出がらしだが一つどうぞ」

さぶは栄二のために礼を述べ、三つの折詰を差出した。そこでまたくどくどと礼の云いあいが始まり、栄二はそっぽを向いた。

――じれってえやつだ、と栄二は心の中で舌打ちをした。きっとおれの云うことなんか聞いてもいなかったんだろう、石に念仏、口がくたびれるだけだぜ。

与平が折詰を持って炉のほうへ去ると、さぶは風呂敷をたたみながら、おすえがまた女中奉公に出たと云った。

「下谷金杉のうちは、小さいけれどおやじさんが筆屋をやっていて、くらしに困ってるわけじゃねえんだ」とさぶは続けた、「――綿文へ奉公にいったのも行儀見習いだったそうだが、こんどはそうじゃねえんだよ、栄ちゃんが出て来るときのために、ちっとでも給銀をためておこうって」

「またそれか」栄二は露骨に顔をしかめた、「おれはいつここを出られるかわからない人間だ、って云ったろう、おれのことは考えるなって、おめえからはっきり云ってやってくれ、頼むぜさぶ」

さぶはあいまいに頷いた、「――いいよ、そう云うよ、云ってもしようがないだろうけれどね」