Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lee さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 210.521 caracteres · 415 pantallas

Aozora Bunko

「よくわかりました」と栄二は咳をしてから云った、「正直に申上げると、どうして役所が黙っているのか不審でしたし、岡安さんはなにを待っているんだと僻んだこともありました、けれどもそればかりじゃあありません、あっしは初めから、矢面に立つのは自分だときめていたんです」

岡安喜兵衛は栄二の顔をみつめた、「それはどういうことだ」

「わけってほどのことじゃあありません、ただなんとなく、あの義一とりゅうをやれるのはおれだけだ、っていうような気がしたからです」と栄二は口ごもり、それからはっきりといった、「――じつを云うと、同じ部屋の万吉っていう男に口火を切られたんです、おれたちのもっこ部屋をこんなざまにされてはがまんできない、もう辛抱がきれそうだ、と万吉が云いだしたんです」

「万吉とはもと鳶職をしていた男か」

「ええ、喧嘩が自慢ですし、本当にやりかねないようすでした、あっしは相手が匕首を持っているからと、どうにか思い止まらせたんですが、そのまま万吉が手を束ねているかどうかはわかりません、それなら万吉のやるまえに自分がやろうと思ったんです」

「それは二度と口にするな」と岡安はちょっと声を低くした、「――おまえのほうで二人に意趣をふくみ、まえから機会を覘っていたとなれば、罪は軽くないことになるぞ」