Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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さぶ

さぶ

山本 周五郎

Lee さぶ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 210.521 caracteres · 415 pantallas

Aozora Bunko

「おめえのおかげだよ」栄二はあっさりと云った、「おめえとおすえのおかげだ、いまはなんにも云わねえが、仕事が終ったら改めて礼をするつもりだ」

その言葉から身を避けようとでもするように、さぶは慌てて手を振りながら、とんでもねえよしてくれ、と遮った。それにはお構いなしに、栄二は話を変えた。

「紙の注文はしてくれたか」

「ああ」さぶはまた唇を舐めた、「大和屋へあの注文書と、内金を渡しといた」

「みんなすぐに揃いそうか」

「揃えるって云ってた」そしてさぶはおずおずと栄二を見た、「その――この仕事はいそぐのかい」

なにかおそれているような調子だったので、栄二はいま気がついたとでもいったふうに、さぶの顔を見まもった。

「正月にまに合わせるっていう約束だが、それがどうかしたか」

「どうってこともねえが、その」さぶは気よわそうに眼を伏せた、「――葛西のうちから、おふくろが病気で、今日あすも知れねえっていってよこしたんだ」

栄二はむっとしたように、「それで」とあとを促した。

「それで、なにしろ、おふくろのことだし、葛西といえばそう遠くもねえし」

「じれってえな、おめえは」栄二はつい知らず荒い調子になった、「葛西がいってえなんだ、おめえ葛西で、どんなめにあったか忘れちゃったのか」