Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
ちくしょうだに
ちくしょう谷
山本 周五郎
Lee ちくしょう谷 (ちくしょうだに) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 69.788 caracteres · 138 pantallas
べつにどういうこともない、無事にやっているがなぜだ、と隼人が問い返した。帯刀はそれには答えず、根岸伊平次を知っているな、と訊き直した。
「知っている、道場で稽古をつけていた」
「なにか話を聞かなかったか」
隼人は黙って帯刀の顔を見まもった。
「朝田さんの傷の一つが、背中から突き刺されたものだ、ということを話したそうだが、覚えはないか」
「それは済んだことだろう」
「いや、新しい事実があるんだ」と帯刀は云った、「根岸から聞いてしらべてみたんだが、勘定方から五百両引出したのは朝田さんではないらしい、朝田さんの印判が使ってあるが、その印判も偽造のようだ」
「なんのためにそんなことをしらべたんだ」
「なんのためだって」帯刀はむっとしたように隼人を見た、「朝田さんの罪が無実であり、はたしあいにも不審があるとすれば、しらべてみるのが当然じゃあないか」
「それはもう済んだことだ、――小池自身がそう云った筈だぞ」
「そう云ったのは事実がわからなかったからだ」
隼人は静かに立ちあがって戸納をあけ、手文庫の中から一通の封書を取り出すと、戻って来て帯刀に渡した。
「おれが江戸で受取った兄の手紙だ」