Clásicos japoneses con furigana
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とんだやのきゃく
とんだ屋の客
田中 貢太郎
Lee とんだ屋の客 (とんだやのきゃく) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 2531 caracteres · 5 pantallas
と云うので、皆が黙っているうちに準備が出来て、幡半の婢がそれぞれ皆、前へ肴を執りわけてくれたが、それもやっぱり五人前であった。蒲団と茶のまちがいは、最初に五人とおもいこんだならもっとものことであるが、席がきまって飯を喫うようになっても、まだ五人前にするのはどうしても、四人の他に幡半の婢の目に見えるものがいなくてはならない。これはどうしても何人かに憑いているものがあると云いだした。
「若旦那だ、若旦那だ、若旦那が、さっき、うっちゃっとけと仰しゃったから、若旦那に覚えがある」
其の晩は幡半に泊ったが、怪しい憑きもののことが皆の頭をはなれないので、それでは浜寺へ往ってほんとうに憑いているか憑いていないかをたしかめようと云って、其の翌日、難波の停車場から汽車に乗って和歌山まで往き、其処から海岸の松原を通って、浜寺の一力へあがった。皆好奇の眼を光らしながら座敷へ通ったところで、婢が蒲団を持って来て敷いた。蒲団は五枚であった。
「やっぱりそうだ」
皆がぞっとなった。ところで婢が茶をはこんで来た。其の茶も五人前あった。そして、テーブル料理の出来るのを待って、飯を喫おうとしたところで、婢はまたしても料理を五人前に執りわけた。