Clásicos japoneses con furigana
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はたしじょう
はたし状
山本 周五郎
Lee はたし状 (はたしじょう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 19.525 caracteres · 39 pantallas
「いろいろ心配をかけて済まなかったが、どうかその事はもう暫く、このままそっとしておいて呉れないか」
「しかしそうはいかないんじゃないのか、第さんの気持はよくわかってる、おれだって不愉快だから、できるなら闇へ葬ってしまいたいよ、だが……ふりかかる火の粉は消さなければならない、さもないと焼け死ぬかもしれないからね」
彼の暗示的ないいぶりは効果があった。第二は初めて千久馬の顔へ振向いた。
「それは藤島のことをいうのか」
「彼は悪辣に第さんを陥れようとしているよ」
「だって」第二はちょっと口ごもった、「――それは、なんのためにだ」
「想像がつかないかね」
暫く黙って歩いた。第二は自宅へ曲る道を通り越して、藩侯の泉亭のあるほうへ向っていた。……やがて千久馬が「彼と出会ったそうだね」と云った。第二はちょうどそのときの情景を思いだしていたが、返辞をするのもいやで、ただ頷いてみせた。
「そのときおれについてなにか云わなかったかね、いや聞くまでもない、中傷することはわかってるんだ、彼はおれを第さんに近づけたくはない、おれの口からなにがばれるか、彼は身に覚えがある、ほかの者はとにかくおれだけは第さんから離して置きたい筈だ」