Clásicos japoneses con furigana
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ろうそくとかいがら
ろうそくと貝がら
小川 未明
Lee ろうそくと貝がら (ろうそくとかいがら) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 2502 caracteres · 5 pantallas
一
一
海の近くに一軒の家がありました。家には母親と娘とがさびしく暮らしていました。けれど二人は働いて、どうにかその日を暮らしてゆくことができました。
父親は二年前に、海へ漁に出かけたきり帰ってきませんでした。その当座、たいへんに海が荒れて、難船が多かったといいますから、きっと父親も、その中に入っているのだろうと悲しみ嘆きました。
けれど、また、遠いところへ風のために吹きつけられて、父親はまだ生き残っていて、いつか帰ってくるのではないかというような気もしまして、二人は、おりおり海の方をながめて、あてなき思いにふけっていました。
「お母さん、お父さんは死んでしまわれたんでしょうか。」と、娘は目に涙をためて、母親に問いますと、
「いまだにたよりがないところをみると、きっとそうかもしれない。」と、母親も、さびしそうな顔つきをして答えました。
「ほんとうに、お父さんが生きていて帰ってきてくだされたら、どんなにうれしいかしれない。」と、娘はいいました。
「生きていなされば、きっと帰ってきなさるから、そう心配せずに待っていたほうがいい。」と、母親は娘をなぐさめました。
娘は昼間仕事に出て、日が暮れかかると家に帰ってきました。