Clásicos japoneses con furigana
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インチキあゆ
インチキ鮎
北大路 魯山人
Lee インチキ鮎 (インチキあゆ) de 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 2050 caracteres · 5 pantallas
一時は春日のあゆを食わなければ、あゆを語るに足りないくらいの剣幕であった。しかも、会席十円とか十五円とか好況時代らしい高い金を取っていたのであるから、馬鹿な話だ。なにしろ世間の景気がよくて懐に金がある。そこへ持ってきて、大あゆなるものが東京人士には珍しい。あゆの味のよしあしなどてんで無頓着な成金連だから、あゆの大きさが立派で、金が高いのも、彼らの心持にかえってぴったりするというようなわけで、自己暗示にかかった連中が、矢も楯もたまらず、なんでも春日のあゆを食わなければという次第で、この店は一時非常に栄えたものだ。
あまりの評判だからついにある日、わたしも出かけてみた。行ってみると、そのあゆなるものが、まるでさばみたいな途方もない大きな奴で、とうてい食われた代物ではない。仕方がないから、腹の白子を食って帰って来たが、どうしてこんなものが評判になったのかといえば、今いった通り、あゆというものをてんで知らない連中が、大きくて、いかにも立派なものだから、それにすっかり魅せられてしまったのだろう。
料理人の野本君は才人でもあり、太っ腹の男でもあったから、時に応じた考えから、大あゆばかりをたくさん取り寄せ、それを葛原冷凍に預けて、出しては食わせ、出しては食わせていた。