Clásicos japoneses con furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lee キャラコさん de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 21.236 caracteres · 43 pantallas
否応いわせない、おしつけるような調子があった。
キャラコさんは、きのうの返事がきけるのだと思って、急いで自分の部屋へ行って帽子と外套を持ってきた。
二人は桟橋まで歩いて行ってそこで、発動機艇に乗った。
とりわけ、きょうは陽ざしが熱く、湖の面はガラスのようにきらめいて、深い水底でときどきキラリと魚の鰭が光った。
モーターの響きがこころよく身体につたわる。茜さんは、眼を細めて、うつりかわる対岸の景色をながめたまま、いつまでもおし黙っている。キャラコさんは、すこし気味が悪くなって、
「お話って、どんなお話」
と、おそるおそる切り出してみた。よくよく辛抱したあげくのことである。茜さんは急にこちらへ顔をふり向け、運転手のほうを眼で指しながら、
「ここでは、なにも申しませんわ。あなただって、それでは、お都合が悪いでしょうからね」
と、謎のようなことをいうと、また、クルリとむこうを向いてしまった。
どういう意味なのか一向わからない。何かひどく腹を立てていることだけはわかる。しかし、どう考えて見ても、茜さんを怒らせるようなことをした覚えはない。
(いったい、何をいいだす気なんだろう)