Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lee スウィス日記 (スウィスにっき) de 辻村 伊助 (つじむらいすけ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 216.275 caracteres · 410 pantallas
あちこち渡って見ようと相談した。
宿の表は、往来のむこうから、すぐだらだらの小山になって、東の窓からは、すぐ近く教会の鐘塔が仰がれる。庭に下りると、すずかけの木の木立ちのうしろは、アムペロプシスの蔓いかかった欄干で、湖水の波は、ひたひたとその裾を洗っておる。横手の入り江には、小舟が砂に曳きあげてあった、私達はそれを浮かべて、やがて湖水のなかほどまで漕ぎ出すと、東の端に、彼のグロース・シュレックホルンが、夕陽を浴びて物凄く聳えておる、「白鳩」は、どす黒い岩のひだにくっきりと浮き出して、虚空に光る眼のように、孤舟の旅人を見張っていた。ひるがえって思えば、何と云う変り方であろう、あの下に、骨をさらすべき二人は、蒼空を緑の中に埋めたような、このおだやかな湖水の上にゆったりと浮かんで、二人は離れ離れに物を思うておる。私には、彼の山岳をこういう静かな日に仰ぐよりは、嵐の中に泡立って、渦まく波に揺られながら、まっくらな空にふと櫂の手をとめて、眺めやる刹那の感を得たかったのである。計らずも日ならずしてその折りは来た。
ヒルテルフィンゲンに着いて、一週間はうららかな日ばかりつづいた。