Clásicos japoneses con furigana
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ボニンとうものがたり
ボニン島物語
久生 十蘭
Lee ボニン島物語 (ボニンとうものがたり) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 20.772 caracteres · 41 pantallas
本高二十万石にたいして不熟損毛の合計が十九万六千石。この三、四年、半作にもならぬ凶歳がつづいた揚句、麦作、秋作、雑穀の果てまで、収穫皆無ということになったので、古今未曽有の大飢饉になった。
米価は一駄十六貫五百文、米一升は搗粟一升とおなじ値段で二百五十文。食うに足るものはなにによらず、恐ろしいような値がつき、米糠、麦糠すら百文と、はねあがった。
米糠や麦糠を湿して蒸す。米麦の砕けがまじっているので、熱いうちに搗けば餅になるのである。それも手に入らなくなると、あざみ、大蓼、笹の実を食い、野山へ分け入って、蕨、野老、葛などを掘りまわる。何万とも知れぬ人間が山の地膚も見えぬほどに取りつくので、たいていの山も瞬く間に掘りつくしてしまう。峰にのぼり谷へ降り、いく山もいく山もやる。蕨根をさがして、五十里もある一ノ関まで行ったというのもあった。
夏もまだ終らぬうちに、盛岡の城下では、藁しべを食い、豆殻を食い、松の木の皮を剥いで粉にして食うところにまで追いつめられ、もとは相当の家の人達が、乞食や非人の体になって、あてもなく市中を徘徊するようになった。顔色は土気色で、手足は枯木のよう。