Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
さんごくし
三国志
吉川 英治
Lee 三国志 (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 161.356 caracteres · 323 pantallas
「これ! 元直」と、身を正して叱った。
「そなたは、幼き頃から儒学をおさめ、長じては世上を流浪しやることも十数年、世上の艱苦、人なかの辛苦も、みな生ける学びぞと、常にこの母は、身の孤独も思わず、ただただそなたの修業の積むことのみ、陰で楽しみにしていたに――、このような偽文を受け取って、その真偽も正さず、大切なご主君を捨てて来るとは何ごとか」
「あっ……では……それは母上のお筆ではありませんでしたか」
「孝に眼をあけているつもりでも、忠には盲目。そちの修業は片目とみゆる。いま玄徳さまは、帝室の冑たり、英才すぐれておわすのみか、民みなお慕い申しあげておる。そのような君に召しつかわれ、そちの大幸、母も誉れぞと、ひそかに忠義を祈っていたものを……ええ……匹夫のような」
と身をふるわせて、よよと泣いていたが、やがて黙然と、帳の陰へかくれたきり姿も見せなかった。
徐庶も、慚愧に打たれて、母の厳戒を心に噛み、自身の不覚を悔い悩んで、ともに泣き伏したまま悩乱の面も上げずうっ伏していたが、ふと帳のうしろで、異様な声がしたので、愕然、駈け寄ってみると、老母はすでに自害して死んでいた。