Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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さんごくし

三国志

吉川 英治

Lee 三国志 (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 161.356 caracteres · 323 pantallas

Aozora Bunko

孫権もまた、功ある諸大将を軽んじてはならんぞ。内事は何事も、張昭にはかるがよい。外事の難局にあわば周瑜に問え。……ああ周瑜。周瑜がここにいないのは残念だが、彼が巴丘から帰ってきたらよう伝えてくれい」

そういうと、彼は、呉の印綬を解いて、手ずからこれを孫権に譲った。

孫権は、おののく手に、印綬をうけながら、片膝を床について、滂沱……ただ滂沱……涙であった。

「夫人。……夫人……」

孫策は、なお眸をうごかした。泣き仆れていた妻の喬氏は、みだれた雲鬢を良人の顔へ寄せて、よよと、むせび泣いた。

「そなたの妹は、周瑜に娶合わせてある。よくそなたからも妹にいって、周瑜をして、孫権を補佐するよう……よいか、内助をつくせよ。夫婦、人生の中道に別れる、これほどな不幸はないが、またぜひもない」

次に、なお幼少な小妹や弟たちを、みな近く招きよせて、

「これからはみな、孫権を柱とたのみ、慈母をめぐって、兄弟相背くようなことはしてくれるなよ。汝ら、家の名をはずかしめ、義にそむくようなことがあると、孫策のたましいは、九泉の下にいても、誓ってゆるさぬぞ。……ああ!」

云い終ったかと思うと、忽然、息がたえていた。