Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
にじゅうしのひとみ
二十四の瞳
壺井 栄
Lee 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) de 壺井 栄 (つぼいさかえ) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.
N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 113.429 caracteres · 227 pantallas
古い家に生まれた富士子は、いかにもその家柄を背負ったように落ちつきはらっていて、めったに泣かず、めったに笑わない少女だった。小ツルなどからあからさまなことをいわれても、じろりと冷たい目で睨みかえす度胸は、だれにもまねのできないものだ。「くさっても鯛」という彼女のあだ名は、彼女の父の口ぐせからきており、彼女はそれに満足しているところがみえた。
そこへゆくと小ツルなどはさっぱりしたもので、人のこともいうが、じぶんのことをいわれても、べつに気にとめないふうだった。一家そろってはたらき、そのはたらきを表看板にして裏も表もなかった。たとえば小ツルのあだ名は「目っつり」といわれている。たいしたきずではないが、まぶたの上のおできのあとがひっつれているからだ。ふつうなら、ことに女の子は「目っつり」などとなぶられれば泣きたくなるだろうが、小ツルはちがっていた。まるで人ごとのようにわだかまりのないようすで、
「目っつり目っつりと、やすやすいうてくれな。目っつりも、なろうと思うてなれる目っつりとちがうぞ」
それは彼女の母たちがそういっていたからであろう。旅行にゆけないわけをも、彼女はざっくばらんにいうのだ。