Clásicos japoneses con furigana
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しゅんかん
俊寛
菊池 寛
Lee 俊寛 (しゅんかん) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 17.455 caracteres · 35 pantallas
彼は、つとめて都のことを考えまいとした。従って、成経や康頼のことを考えまいとした。彼は、成経や康頼が親切に残して置いてくれた狩衣や刺貫を、海中へ取り捨てた。長い生活の間には、衣類に困るのは分かりきっていた。が、困ったら、土人のように木の皮を身に纏うても差支えないと考えた。
その上、三人でいた間は、肥前の国加瀬の荘にある成経の舅から平家の目を忍んでの仕送りで、ほそぼそながら、朝夕の食に事を欠かなかった。そのためでもあるが、三人は大宮人の習慣を持ちつづけて、なすこともなく、毎日暮していた。俊寛は、そうした生活を改め、自分で漁りし、自分で狩りし、自分で耕すことを考えた。
彼は、そういう生活に入る第一歩として、成経や康頼の記憶がつきまとっている今までの小屋を焼き捨て、自分で発見したあの泉の畔に、新しい家を自分で建てることを考えた。
彼は、その日から、泉に近い山林へ入って、木を伐った。彼が持っている道具は、一挺の小さい鉞と二本の小太刀であった。周囲が一尺もある木は、伐り倒すのに四半刻近くかかった。が、彼が額に汗を流しながら、その幹に鉞を打込むとき、彼は名状しがたい壮快な気持がする。