Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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しゅっけものがたり

出家物語

坂口 安吾

Lee 出家物語 (しゅっけものがたり) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 13.838 caracteres · 28 pantallas

Aozora Bunko

なかなか大きな会社であるが、受付できくと、その人は三階の何課という部屋だから、そこへ行きなさい、という。鉄筋コンクリーという奴は下駄バキで歩いていゝのやら、会社の廊下というものを勝手にノソノソ歩いていゝのやら、てんでツキアイがないからワケが分らない始末で、ようやく三階の何課という奴をつきとめて、恐る恐るドアをあけてみると、すぐ目につくところに女の子が五六人並んでいて、その中にキヨ子がいる。

「ヘエ、モシモシ」

と云って、キヨ子の姓をよぶと、顔をあげて彼を認めて、スックと立って廊下へでてきたが、

「ちょッと、待ってね。私、ちょうど、あなたのところへ遊びに行こうと考えていたところよ。先週も、一度行きかけたけど、雨が降ってきたでしょう。だから途中で戻ったわ。十分ぐらいで仕事がすむから、すぐ来るわ」

と引っこんだ。

よっぽどノンキな会社と見え、まだ三時半ごろだが、男も女もゾロゾロと方々のドアから現れて帰って行くのがある。

まもなくキヨ子はイソイソとでてきて、

「私、今日、オヒルをたべなかったから、オナカがへったのよ」

「うちで御馳走こしらえてやるぜ」

今日に限って珍客招待の用意はしてなかったが、商売柄、品物はそろっているから、忽ち支度はできあがる。