Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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けんきょう

剣侠

国枝 史郎

Lee 剣侠 (けんきょう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 156.961 caracteres · 310 pantallas

Aozora Bunko

十数間のかなたから、一人の武士が走って来る。

「む!……秋山! ……秋山要介!」

いかにも走って来るその武士は、今朝になって眼醒めて見れば、昨夜から発作を起こしていた源女が、どこへ行ったものか姿が見えず、それを案じて探すために、林蔵の家を立ち出で、ここまでやって来た秋山要介であり、見れば宿意ある水品陣十郎が、これも因縁ある鴫澤主水を、まさに討って取ろうとしていた。間隔は遠い、間に合わない。そこで小柄を投げたのであった。

小柄を投げて陣十郎の兇刃を、制して置いて秋山要介、飛燕の如く飛び込んで来た。

が、陣十郎もただ者ではない、主水を相手に戦って、既に躰は疲労ていた。そこへ剣豪秋山要介に新規の力で出られては、百に一つの勝目はない。――と見て取るや刀を引き、鞘にも納めず下げたままで、耕地を一散に走って逃げた。

と、瞬間飛び起きたは、無念残念返り討ちだと、一刹那覚悟して仆れていた主水で、

「秋山先生、お礼は後刻! ……汝、待て――ッ、水品陣十郎! ……遁してなろうか、父の敵!」と、身体綿の如く疲労して居り、剣技も陣十郎と比較しては、数段も劣って居り、追っかけ追い詰め戦ったところで、あるいは返り討ちになろうもしれないと、そういう不安もありながら、みすみす父の敵に逢い、巡り合って刀を交したのに、そうしてその敵が逃げて