Clásicos japoneses con furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Lee 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 119.262 caracteres · 243 pantallas
それは先刻見かけた加藤さんの令嬢の面影だった。
「何うしたんだい? それから」
「うむ。そう/\」
「急に考え込んでしまったじゃないか」
「居候なんだ。主人じゃないんだ」
「まだ居候も主人も出て来やしない。奥さんがお嬢さんに代って取次ぎに出たところだ。それから?」
と菊太郎君が促した。
「その令嬢が何処となく豊子さんに似ているんだ」
「ふうむ」
「実に綺麗な人だった。君は矢っ張り豊子さんに似ているんだね。君から豊子さんを思い出して、豊子さんからその人を思い出した」
「豊子に似ている人が綺麗で、僕が豊子に似ているってのは大賛成だ。エヘン」
「これはいけない」
「しかし余裕綽々たるものだね。千円も倒されていながら、そこの家の娘を美人と見届けて来るんだから胆が据っている」
「そこの主人が倒したんじゃないんだ。居候にやられたんだ」
「ふうむ」
「奥さんが引っ込むと今度は主人が出て来た。驚いたよ。いつもの人と違うんだ」
と僕は話し続けたが、斯ういう倉皇の際に佳人を発見して来るのだから、菊太郎君の言う通り、その方面だけは胆が据っているのかも知れない。
翌朝、丸尾さんは僕の報告を聴いて、これあるかなと言ったような顔をした。