Clásicos japoneses con furigana
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けしょうのもの
化生のもの
豊島 与志雄
Lee 化生のもの (けしょうのもの) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 13.086 caracteres · 27 pantallas
菊花の鉢がまばらに竝べられ、あちこちに小卓やベンチが配置されていた。紅白の幕が縁側近くに張り廻され、それに引き続いて、屋台店には和洋の酒瓶が竝んでいた。但しこの酒類は有料なのが愛嬌だった。
広庭の隅っこの小卓に、人を避けるような工合で、立花恒子と小泉美枝子とが差し向いでコーヒーを飲んでいた。恒子はもう五十近い年配で、ふくよかな体躯に貫禄が具わっていた。
「ねえ、おばさま。」美枝子は甘えるような口の利き方をした。「やっぱり、わたくしが申した通りでございましたでしょう。」
「そうね。だけど、少し薬が利きすぎたかも知れませんよ。」
「姙娠のこと。」
「そう。愛人まではよろしいけれど、姙娠となると、ちょっと聞きぐるしいことですからね。わたしも、骨が折れましたよ。」
「でも、おばさま、噂をひろめるのが、お上手でいらっしゃるわね。」
「まあ、なにを言うんですか、ひとにさんざん頼んでおいてさ。」
恒子は睥むまねをした。
「わたくし、初めて分りましたわ。姙娠ということが、どんなにひとに嫌われるか……。」
「ことに、男のかたにはそうですよ。」
「考えてみると、やっぱり、いやなことですわね。