Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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なんちしんじゅう

南地心中

泉 鏡花

Lee 南地心中 (なんちしんじゅう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 39.205 caracteres · 79 pantallas

Aozora Bunko

……出来るだけおつくりをしたろうが、着ものも帯も、余りいい家の娘じゃないらしいのが、」

「居ました。へい、親方が、貴方に差上げた桟敷ですから、人の入る訳はないが、と云って、私が伺いましたっけ。貴方が、(構いやしない。)と仰有るし、そこはね、大したお目触りのものではなし……あの通りの大入で、ちょっと退けようッて空場も見つからないものですから、それなりでお邪魔を願ッておきました。

後で聞きますと、出方が、しんせつに、まあ、喜ばせてやろうッて、内々で入れたんだそうで。ありゃ何ですッて、逢阪下の辻――ええ、天王寺に行く道です。公園寄の辻に、屋台にちょっと毛の生えたくらいの小さな店で、あんころ餅を売っている娘だそうです。いい娘ですね。」

それは初阪がはじめて聞く。

「そう、餅屋の姉さんかい……そして何だぜ、あの芝居の厠に番をしている、爺さんね、大どんつくを着た逞しい親仁だが、影法師のように見える、太く、よぼけた、」

「ええ、駕籠伝、駕籠屋の伝五郎ッて、新地の駕籠屋で、ありゃその昔鳴らした男です。もう年紀の上に、身体を投げた無理が出て、便所の番をしています。その伝が?」