Clásicos japoneses con furigana
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ふるきミニエチュア
古き小画
宮本 百合子
Lee 古き小画 (ふるきミニエチュア) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 70.298 caracteres · 140 pantallas
「流されたツラン人の血は」という一言をきくと、ルスタムは、むかつく嫌な衝動を感じた。昨夜のことは誰一人知っている者はない。この文句の正しい意味のわかるのは自分ばかりだろう。せっかく抱いて行った優しい思いが失望に終った上、まるで偶然で避難かった、自分でも厭々した殺傷が、挑戦の口実に物々しく利用されたのをきくと、ルスタムは、威勢よい若者に、焦々した憎悪を感じた。当然自分が応えるべき位置にあるという責任感と、先天的な好戦慾に駆られ、ルスタムは、出陣の時自分の申出した約束にも拘らず、信念に満ちた風采で、両軍の中央にのり出した。
彼は、イランの前面を通るとき、ギーウが、面覆いの間から、驚愕の色を顕わして自分を見たのを認めた。老人の意地の現われた眼つきで、ルスタムは、真直にスーラーブの前に騎りつけた。そして、好意のない脅しつけるような声で云った。
「王に戦いを挑まれたのは卿か! 王自身が出会われるには、卿の年が若すぎる。儂が相手をしよう」
ルスタムの露骨な青二才奴、という毒々しさをまるで感じなかったように、ツランの若者は真面目に、偽の無さそうな眼で、ルスタムを瞶めた。