Clásicos japoneses con furigana
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こきんしゅうまきのご
古今集巻之五
山本 周五郎
Lee 古今集巻之五 (こきんしゅうまきのご) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 21.482 caracteres · 43 pantallas
お袖は主人を憎悪した。「八年もひとを騙していた」と思い、きっぱりと別れて、またこの柳橋から芸妓に出たというのだ。気が狂いそうになるあの感じを味わうまえとあとでは、女はまったくべつな人間になるらしい、とお袖は云った。
それが米吉の場合は違うのだ。
「逢ったのは三度だけなんです」とお袖は続けていた、「あたしは十九、米さんは二十二で、ちょうどお嫁さんを貰おうとしているときでした、幼な馴染といっても、子供どうしのことだからなんの気持もなかったんですよ、それが、五年か六年ぶりかで出会ったら、急に両方とも火がついたようになってしまったんです。向うはお嫁さんがきまっているし、こっちには主人がある、辛うござんしたわ」
「正直いって」と小光が力をいれた声で訊いた、「いちども寝なかったの、姐さん」
「寝るどころか、手を握りさえしなかったわ」とお袖が云った、「こっちはお嫁さんになる人に済まない、主人にも済まないと思うし、米さんは米さんであたしの主人に済まない、自分のお嫁になる人にも済まない、両方がそんなふうだから、逢っても苦しい辛いおもいをするばかりでしたわ」
「わからないわ、あたしなんかには」