Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Lee 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 241.558 caracteres · 480 pantallas

Aozora Bunko

「ウフフ、背水の陣を敷いたかい。じゃ、こっちでもひとしばいうってやらあ」

ずかずかと縁側伝いに離れへ帰ってくると、

「お蘭どの!」

上がりがまちから不意に鋭く呼びかけたと見るや、じつに突然でした。いぶかるように呼ばれたそのお蘭がひょいと障子をあけたせつな!

「ちょっとあの世へいってきなせえよ!」

声もろともに、ダッとひと突き、みごとな草香の当て身でした。

「冗、冗、冗談じゃねえ、だんな! 払い下げるなら、あっしがいただきますよ! こんなとてつもねえ弁天さまを、なんだってまたそんなにむごいことするんですかよ! べっぴんすぎて、ふらふらとなったんじゃござんすまいね」

「黙ってろい! ついてくりゃいいんだ。もうけえるんだよ」

唖然となって、ぱちくりやっている伝六を促しながら、じつに不思議です。ゆうゆうと両手をふところにして、手もなくのけぞり倒れたお蘭をあとにしながら、さっさと表のほうへ出ていきました。同時に、ちらりとその姿をながめて、疾風のごとくに身を隠そうとした怪しの尾行者に、追いかけていったものです。

「ご苦労ご苦労。みんなによろしくな」

言い捨てると、なぞは深し、行くのです、帰るのです。