Clásicos japoneses con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lee 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 241.558 caracteres · 480 pantallas
――と見えたのが、迷ったにちがいない。もぐって隠れようか隠れまいかとためらったあげく、また逃げだしたとみえて、やはり足跡は表口から往来につづいているのです。
しかし、そう思われたのもつかのま、出てからまたさらに迷ったとみえて、あちらにふた足、こちらに三足、行きつもどりつ、しどろもどろに逃げ惑ってから、くるり引っかえして、足跡はふたたび住まいの庭の裏口目ざしてつづきました。
「ウフフ。あきれけえった野郎だね。めくらが火事に飛び出したんじゃあるめえし、こりゃまたどうしたんですかよ。どこへ逃げやがっても雪ゃあるんだから笑わしゃがらアね」
だが、名人右門の推断はまた別でした。
「やつめ、察するにおくびょう者だな」
「え? そんなことが、またどうしてわかるんですかい。足跡に肝ったまの大小がけえてあるんじゃあるめえし、だれの足跡でも雪に残りゃこういうかっこうをしているんですよ」
「ところが、おいらが見るとちゃんとけえてあるから妙じゃねえかよ。走ったかと思やとまり、止まったかと思やまた逃げだして、その逃げ方もあっちへいったり、こっちへ来たり、まごまごと迷ってばかりいるのは、気の小せえ証拠、度胸のすわっていねえ証拠だよ。