Clásicos japoneses con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Lee 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 241.558 caracteres · 480 pantallas
まず、われ思うにだ、どうして死なねばならなくなったかは二の次として、なかなか二三春べっぴんゆかしいじゃねえか。さすがは糸の音締めで名をとった江戸女だよ。しょせん死なねばならぬものなら、日ごろ自慢の渋いのどで、この世のなごりに思いのこもったゆかしい一節をでも語りながら、心の清く澄んだところで、身ぎれいに果てようと、われとわがうしろ背をその柱に結わいつけた匕首にぶすりとやったやつが、がっくり前へ三味線をかかえて身はのめる、その拍子にドスが抜けて下におちる、魂は飛んで極楽へといった寸法だと思うが、むっつり右門の眼は狂ったかね」
「ちげえねえ。暑気に会っても、知恵にかびのはえねえのは、さすがにおらがだんなだ。そういや、二三春の両手の手首に、麻なわででもくくったらしいくくりあとのあるのも不思議じゃござんせんかい」
「それよ。さすがにおめえも一の子分だけあって、あごの油の切れねえのは豪勢だ。なぞを解くすべてのかぎは、まさにその手首に見えるくくりあとだよ。こうなりゃ、もうおれの眼はすごいんだ。これだけのべっぴんが、ただ死ぬはずはねえ。何かいわくがあって江戸紫の命を断ったにちげえねえから、家捜しやってみな」