Clásicos japoneses con furigana
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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Lee 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 167.105 caracteres · 337 pantallas
手のつけどころがない、かかりどころがない。まるで糸口がないのです。手づるの端もないのです。しかも、残っている事実は、ことごとくが疑問、ことごとくがなぞばかりなのでした。
考えようによっては、同役だというあの矢を受けた若侍が、松坂甚吾を雪で焼いた下手人とも考えられるのです。下手人なればこそ、あんなに目いろを変えて、力こぶを入れたとも思われるのでした。
しかし、それにしては矢を射かけられたのが不思議です。矢でねらわれたという事実だけを中心にして考えていくと、生かしておいてはならぬために、口を割られてはふつごうなために、思いもよらぬほんとうの下手人が、事のあばかれぬさきに、いちはやく鐘楼の上から、射止めたとも考えられるのです。射とめたその下手人はだれであるか、疑っていったら、死を急いだ妻女のおこよとも思われるのでした。ことに、紙片に見える罪ほろぼしうんぬんという文字が疑わしいのです。夫を恥ずかしめ候ことそらおそろしく、とあるところを見ると、あるいはおこよと、矢を射かけられたあの同役の若侍とが、夫の目を忍ぶ仲にでもなっておって、その不義を押し隠すために、夫を同役のあの若侍にあやめさせ、あやめたその若侍をまたおこよが射殺し、すべてをやみからやみへ葬っておいて、すべての秘密を包みながら、この遺書どおり、死を急いだ