Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

どうほう

同胞

豊島 与志雄

Lee 同胞 (どうほう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 15.713 caracteres · 32 pantallas

Aozora Bunko

茂夫は今にも泣き出しそうな顔をして、不意に立上った。

「僕また来ます。」

恒夫も我知らず立上った。そして茂夫の後について祖母の室を出ながら、半ば口の中で囁いた。

「大丈夫だよ。……お祖母さんは耄碌してるから、分りゃしないよ。」

五月のはじめ、ひどい暴風雨が襲ってきた。真暗な低い空から、豆粒のような雹が降ってきて、それが止むと、雨と風とが次第に勢を増して、一晩中荒れ狂った。宵のうちに、電燈が二度も消えた。

その時から、祖母の容態が俄に悪くなった。医者が日に何度も来たし、看護婦もやって来た。

三日目の朝、恒夫はいつもの通り学校へ出かけようとすると、祖父の室へ呼びつけられた。祖父と母とが火鉢を挾んで坐っていた。火鉢の縁で長い煙管を、祖父がいつもより強い力ではたいているので、恒夫はただごとでないと感じた。そしておずおずと其処に坐ると、母はいきなり云い出した。

「恒夫さん、家へよく遊びに来る野田という人ね、あの人は小野田茂夫さんじゃありませんか。え……嘘を云わないで、はっきり御返事をなさい。」

恒夫は次第に頭を低く垂れて、唇をかみしめた。

「どうなんです。茂夫さんでしょう。