Clásicos japoneses con furigana
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めいじんじごく
名人地獄
国枝 史郎
Lee 名人地獄 (めいじんじごく) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 149.286 caracteres · 301 pantallas
そうじゃアねえ、銀的だ」
「口の悪い奴だ。いよいよ口が悪い。が、まあ銀公でも銀的でもいい」
「お前さん、この土地へはいつ来たね?」
「二十日ほどまえだ。それがどうしたな」
「あッ、やっと思い出した。そうそうお前さんはお品の婿だね」
「お品の婿だって。何んのことだ?」
「隠したって駄目だ。評判だからな」
「そうか、何んにしても有難い」
「厭な野郎だな、礼をいっていやがる」
「めでたそうな話だからよ」
「だってお前さん評判だぜ。お品の所へ江戸の役者が、入り婿となって来たってな」
「お品の家の離れ座敷を、たしかにおれは借りているよ」
「ソーレ見たか、泥を吐きおった」
「そうしてお品はいい娘だ」
「甘え野郎だ、惚気ていやがる」
「銚子小町だということだな」
「鼻持ちがならねえ、いろきちげえ!」
「だが、銚子の小町娘も、田の草を取ったり網を干したり、野良馬の手綱をひいたりしたでは、こいつどうも色消しだな」
「そいつはどうも仕方がねえ。この辺は半農半漁だからな。よっぽどいい所の娘っ子でも、漁にも出れば作もするよ」
「それはそうだ、御意の通りだ。そうして実はお品にしてからが、その網干しの姿とか、ないしは草取りの姿の方が、ちんと澄ました姿より、よっぽど可愛く見えるからな」