Clásicos japoneses con furigana
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こうふ
坑夫
Lee 坑夫 (こうふ) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 141.690 caracteres · 283 pantallas
一膳めし屋から突然飛び出した赤い毛布と、夕方の山から降って来た小僧と落ち合って、夏の夜を後になり先になって、崩れそうな藁屋根の下でいっしょに寝た明日は、雲の中を半日かかって、目指す飯場へようやく着いたと思うと、赤毛布も小僧もふいと消えてなくなっちまう。これでは小説にならない。しかし世の中には纏まりそうで、纏らない、云わばでき損いの小説めいた事がだいぶある。長い年月を隔てて振り返って見ると、かえってこのだらしなく尾を蒼穹の奥に隠してしまった経歴の方が興味の多いように思われる。振り返って思い出すほどの過去は、みんな夢で、その夢らしいところに追懐の趣があるんだから、過去の事実それ自身にどこかぼんやりした、曖昧な点がないとこの夢幻の趣を助ける事が出来ない。したがって十分に発展して来て因果の予期を満足させる事柄よりも、この赤毛布流に、頭も尻も秘密の中に流れ込んでただ途中だけが眼の前に浮んでくる一夜半日の画の方が面白い。小説になりそうで、まるで小説にならないところが、世間臭くなくって好い心持だ。ただに赤毛布ばかりじゃない。小僧もそうである。長蔵さんもそうである。