Clásicos japoneses con furigana
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ばいしょくかもなんばん
売色鴨南蛮
泉 鏡花
Lee 売色鴨南蛮 (ばいしょくかもなんばん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 13.926 caracteres · 28 pantallas
……これが落ちた大な門で、はたして宗吉は拾われたのであった。
電車が上り下りともほとんど同時に来た。
宗吉は身動きもしなかった。
と見ると、丸髷の女が、その緋縮緬の傍へ衝と寄って、いつか、肩ぬげつつ裏の辷った効性のない羽織を、上から引合せてやりながら、
「さあ、来ました。」
「自動車ですか。」
と目をったまま、緋縮緬の女はきょろんとしていた。
十
年若い駅員が、
「貴方がたは?」
と言った。
乗り余った黒山の群集も、三四輛立続けに来た電車が、泥まで綺麗に浚ったのに、まだ待合所を出なかった女二人、(別に一人)と宗吉をいぶかったのである。
宗吉は言った。
「この御婦人が御病気なんです。」
と、やっぱり、けろりと仰向いている緋縮緬の女を、外套の肘で庇って言った。
駅員の去ったあとで、
「唯今、自動車を差上げますよ。」
と宗吉は、優しく顔を覗きつつ、丸髷の女に瞳を返して、
「巣鴨はお見合せを願えませんか。……きっと御介抱申します。私はこういうものです。」
なふだに医学博士――秦宗吉とあるのを見た時、……もう一人居た、散切で被布の女が、P形に直立して、Zのごとく敬礼した。