Clásicos japoneses con furigana
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なつのそうれつ
夏の葬列
山川 方夫
Lee 夏の葬列 (なつのそうれつ) de 山川 方夫 (やまかわまさお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 60.161 caracteres · 122 pantallas
ぼくは、自分の弱さをそのまま投げかえされ、嘲笑されるのは、もうたくさんだと考えたのだ。
ぼくは思った。ぼくは、一人でほがらかに弁当を食おう。それはぼくの権利のフランクな主張であり、彼のプライドへのフランクな尊敬である。あたりまえのことをするのに、あたりまえの態度でしよう。人間どうしのつきあいでは、けっして触れてはいけない場所に触れるのは、いくらそれが好意・善意・親切からであっても、あきらかに非礼なのだ。……しかし、ぼくの足はもう、金網から手を放した彼のすぐ横にまで、自分を運んできてしまっていた。
「あすこ、日当りがいいな。……行こう」
独り言のようにいうと、ぼくは晴れた冬の日がしずかにきらきらと溜っている、屋上の片隅にあるいた。返事はなかったが、山口はなにを考えてか、おとなしくぼくにつづいてきた。へんに反抗して、見透かされたくないのだろうか? ぼくは、彼の不思議な素直さに、そう思った。
その片隅に腰を下ろしても、ぼくは黙っていた。同様に坐りながら、山口も無言だった。黙ったまま、ぼくが弁当の風呂敷包みを解き終ったとき、異様なほどの大きさでぼくの腹が、ク、ルル、ル、と鳴った。