Clásicos japoneses con furigana
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なつのそうれつ
夏の葬列
山川 方夫
Lee 夏の葬列 (なつのそうれつ) de 山川 方夫 (やまかわまさお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 60.161 caracteres · 122 pantallas
ハチマキでもしめていたら、それは、まったくポスターと同じ健気な少年の「勇姿」なのだ。
ぼくは遠慮なく笑った。……笑うと、ぼく自身余裕が生まれたのか、それとも、それまでなんとなく気圧されていた彼に、やっと同等の生真面目な「少年」を発見したことのせいか、ぼくに元気が恢復してきた。すっかり気がらくになってぼくはいった。「いまごろ、じゃあ君、どうして屋上になんかきたの?」
「………」
「もしほんとにそう思ってるのなら、なぜ、なにも変わらない、変える必要はないなんて、わざわざここまでいいにきたんだ?」
「………」
山口は無言だった。が、ふっとその蒼白な冴えた顔に、動揺とまで行かないにせよ、ある気弱なものが滑ったのをぼくは見逃さなかった。山口は、腹がへってここへ来たのだろうか、とぼくは反射的に考え、ふとあることに思い当った。
山口は、これから弁当を二分するぼくらの習慣がなくなるのを心配して、それを確かめるためにぼくに会いに来たのか? なにひとつ、変える必要はない。それは彼の、あの習慣を変えてくれるな、という意味を裏にかくした言葉なのか?
山口をみつめながら、ぼくはそれをはっきりとたしかめよう、と思った。