Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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おおとりものせんにんつぼ

大捕物仙人壺

国枝 史郎

Lee 大捕物仙人壺 (おおとりものせんにんつぼ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 47.606 caracteres · 97 pantallas

Aozora Bunko

……まあ八郎聞くがいい、どうだ冴え切った三味線ではないか」

「よい音色でございますな」

思わず八郎も耳を澄した。

遠くで二つバンが鳴っていた。

どこかに火事でもあると見える。

しめやかに三味線はなお聞えた。

にわかに八郎は呻くように云って、

「これは不思議! 剣気がござる!」

「ナニ剣気? ほんとかな?」安房守は眼を見張った。

「これは只事ではございません」

「お前は剣道では奥義の把持者だ。俺などよりずっと上だ。お前がそう云うならそうかもしれない」

「これは危険がせまって居ります」

「ふうむ、そうかな。そうかもしれない」

「これは助けなければなりません」

八郎は背後を振り返り、手を上げて門下を呼んだ。

曲は終りに近づいてきた。

毛脛屋敷の床の下に、大きな地下室が出来ていた。

この屋敷が建てられたのは、正保年間のことであって、慶安謀反の一方の将軍、金井半兵衛正国がずっと住んでいたということであった。で、恐らく地下室は、その時分に造られたものであろう。素行山鹿甚五右衛門の高弟、望月作兵衛もそこに住み著述をしたということであるが、爾来幾度か住人が変わり、建物も幾度か手を入れられたが、天保になって一世の剣豪、千葉周作政成の高弟、宇崎三郎が住んだことがあったが、この時代から怪異があったと、翁双紙などに記されてある。