Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lee 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 145.722 caracteres · 286 pantallas

Aozora Bunko

そうするとお銀様は、十七八になるお雪という娘の骨を、食い裂いてやりたいほど憎らしくなりました。

「おばさん、お前はなぜ頭巾をかぶっているの……?」

その時、不意に茂太郎が反問しました。

「これはね――」

お銀様は行燈の方へまともに面を向けて、

「お前さん、わたしの面を見たいの?」

といいました。

「見たかないけれど、家の中で頭巾をかぶっているのはおかしいじゃないか」

「お前、おばさんの面が見たいんでしょう、見たければ見せて上げましょうか」

「見たかないけれど……」

「見たいんでしょう……」

といって、お銀様は膝を進ませて茂太郎の手を取りました。

「見たければいくらでも見せて上げるから、この頭巾の紐を解いて頂戴……」

「だって……」

「いい児だから解いて頂戴……」

お銀様は茂太郎を膝の上へ抱き上げ、そうしてあわただしく自分の頭巾を取ってしまいました。

「おばさん、何をするの」

清澄の茂太郎がもがくと、お銀様は、

「何もしやしません、わたしは鬼子母神の生れ変りですからね」

といって、放そうとはしませんから、

「いやだ、いやだよ、おばさん」

「怖かありませんよ、鬼子母神は人の子を取って食べるのですけれども、わたしは食べやしません、可愛がるだけなのよ、わたしは千人の子供を可愛がってみたい」