Clásicos japoneses con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lee 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 285.635 caracteres · 558 pantallas
だが、この疑いも、自分の弱味を疑われでもしたかのように、何か、弁護の口実を発見しようとあせった揚句、
「それでもお前……天神様をごらん」
「え?」
「天神様をごらんなさいな、菅原道真公を。天神様はあの通りのいいお方でしょう、それでさえ筑紫へ流されたじゃありませんか、時平公の讒言で……」
「…………」
「讒言に逢っちゃ、誰だって、どんなエライ人だって、たまりませんよ」
彼女は、ようやく菅原道真において、その最も有力な弁護者を見出だしたかのように、一も、二も、讒言ということに持って行ってしまいたがる。
「そうかも知れない」
茂太郎が、それでやや納得の色があるのに力を得て、
「うちの殿様も、つまり、讒言に逢って、今のように浪人していらっしゃるのよ、だから、わたし、ほんとうにお気の毒だと思うわ」
「それでお嬢さん、お前は、ここのうちの何なの……?」
「わたし?」
「殿様のところへ、お嫁に来たんじゃないでしょう?」
「イヤな茂ちゃん」
「それじゃお妾さん……?」
「茂ちゃん」
「なに?」
「お前、どうしてそんなことを聞きたがるの? お前らしくもない」
「だって、お前は、ここのうちへ、何しに来ているんだかわからないんだもの。