Clásicos japoneses con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
Lee 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 285.635 caracteres · 558 pantallas
さては、まだ滞在中の道庵先生が、何か時勢に感じて風雲をまき起すようなことをやり出したか。
そうでもない。
昨晩のあの芸者が、井戸へ身を投げてしまったということ。
聞いてみると、事情はこういうわけ。あの女の旦那なるものが嫉妬の結果、あの女を縛って戸棚の中へ入れて置いて、その前でさんざんいびったとのこと。
そうしておいて、寝込んでしまったすきをねらって、多分、手首を縛った縄を、口で食い解いたものと見えるが、首尾よく戸棚から逃げ出してしまった。
眼がさめて後、旦那殿は、戸棚をあけて見るといない!
そこで、また血眼になる。
本来、憎くてせっかんしたわけでもなんでもない。むしろ、可愛さ余ってせっかんしたのだから、こうなってみると、自分があやまりたいくらいなものだ。そこで、昨晩の騒ぎが再びブリ返されると間もなく、飛報があって、女の死体が井戸に浮いている……
忽ち井戸の周囲が人だかり、押すな押すなで、井戸側からのぞいて見ると、さまで深くない水面にありと見えるのは、まごうべくもない昨晩の手古舞の姿。
ああ、嫉妬がついに人を殺した、焼餅もうっかりは焼けないと騒ぐ。