Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lee 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 195.601 caracteres · 387 pantallas

Aozora Bunko

思いなしか、自分がいったん姉と慕ったお浜の面ざしにそっくりです。お浜は憎むべき女である。兄の身にとっては、竜之助よりはお浜の方がいっそう罪が重いかも知れぬ――竜之助を憎む兵馬には、お浜はなお悪いものでなければならぬはずですけれど、兵馬にはそれが心から憎くなれないのです。故郷へ帰った時は、よく世話をしてくれて、江戸にいる時は着物を送ってくれたり、土地のみやげを送ってくれたり、よく修行してえらい人になってくれと励ましてくれたこともある。芝の松原で、惨たらしい殺され方を見た時、その遺書を繰返して見た時、不貞の女の当然の報いを眼前に見せられても、なおその女が憎いとは兵馬には思えないで、やっぱり親切な姉の気持が離れないのでありました。

兄の無念を思いやって、歯を咬み鳴らす時も、嫂の面影は、やっぱり優しい人にうつる。竜之助を憎み悪む心が火のように燃えても、お浜を慕わしく哀れに思う心は消えないのです。

兵馬は純良な少年である――まだ世の塵にけがれない真白い頭へうつった優しい人の影は、消して消せない、あんな気立てのよい姉上が、なんと心が狂って、竜之助のような奴に欺されたことだ。