Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

Lee 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 185.112 caracteres · 362 pantallas

Aozora Bunko

「おーい、小僧待て!」

かの槍持奴をはじめ仲間ども、そのあとには鈴喜の家の主人雇人までがくっついて、ちょうど三仏堂の前まで来た時、その声を聞いて米友が、屹と後ろを振返りました。

すわ、何事! と思ったのは、前から事のなりゆきを知っているものばかりではありません。

待っていた! と言わぬばかりに宇治山田の米友は、九尺柄の十文字の槍を地に突き立て、三仏堂の前に蟠りました。その体を見ると、槍持の奴の癇癪が一時に破裂して、

「野郎、その槍はどこから持ってきた」

「鈴喜んちの庭から持って来た」

米友はあえて驚かない。

「野郎、誰にことわって持って来た」

「屋根の上の猫と、庭にいた鶏にことわって持って来た」

「野郎、野郎」

槍持の奴は、にぎりこぶしを両方から握り固めました。

「何が野郎だ」

米友は短い両の足を、程よく踏張りました。

「よこしゃがれ」

槍持の奴は、米友をけし飛ばそうとかかると、

「いやだい!」

身体をこころもち反らせて、かかって来た槍持を左の手で、ひょいと横の方へ突きました。そこで槍持の奴が、はずみを食って脆くも右の方へゴロゴロと転がったから、見ているものが驚きました。