Clásicos japoneses con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Lee 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 185.112 caracteres · 362 pantallas
弁信が招ぜられたのは、例の道庵先生が控えているその次で、この際先生は謹聴しているのだか、それとも居眠りをしているのだか、ともかく、もっともらしく下を向いて控えていました。
静かに道庵の次へ坐った弁信は、やはり前と同じように歌のない琵琶だけが、老練な人の手によって弾きこなされているのを耳にします。それを聞いていると、弾いている人の年頃もほぼ想像されます。決して若い人ではない、年齢においてもかなりの老練家であり、それで琵琶を弾く人であって、歌わない人だということもわかります。歌えないのではなく、歌う必要のない琵琶を弾くことを心得ているもののようです。弁信はそれをいっそう面白く思って、いよいよ席を構えて、ほんとうに身を入れて、しんみりと聞こうとした時に、室の中程から立ちのぼる異様な臭気に打たれました。
勘の鋭いように、嗅覚もまた鋭敏であった弁信は、それほど好きな琵琶の音をさえ打忘れて、その立ちのぼる異様な臭気に心を取られました。
「おや」
その時に琵琶の主が代りました。琵琶ばかり弾いて、あえて歌わなかった一曲はそれで終って、新たに代った人が同じところへ坐って、徐に歌い出したのが「木崎原」