Clásicos japoneses con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lee 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 242.044 caracteres · 477 pantallas
「友造さん、まあ、そこで何をしているの、そんなところで……」
「あ、お婆さんか」
米友が塔の上から腰をかがめて、塔の周囲に建てめぐらした石の玉垣の入口で見つけたのは、絵にある卒塔婆小町が浮き出したような、白髪のお婆さんであります。
「ああ、わたしだよ、ほんとうに、びっくりさせるじゃありませんか。なんだって今時分、そんなところへのぼって何をしているんです」
「あ、あ……」
米友が呆然として円い眼を瞬きをして、初めて暮色の暗澹たるにおどろきました。
「第一、お墓の上へのぼるなんて、勿体ないことですよ」
「うウん」
「それは天樹院様のお墓ですよ、早くおりておいで……」
「うウん」
米友は、そこで円い眼をみはって、うんとうなりました。
「早くおりておいでな、天樹院様のお墓の上へのぼって、何をなさるつもりなの」
卒塔婆小町の浮き出したような白髪の婆さんは、やさしく米友をたしなめると、
「エ、これが天樹院様のお墓か?」
塔の上で米友が叫びました。
そうそう、これほどに暮色がせまっていないならば、米友といえども、文字のある男だから、向う正面を、じっと見上げて立っていた時に、碑面にしるされた文字――