Clásicos japoneses con furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lee 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 126.748 caracteres · 254 pantallas
煙草好な三吉はヤリキレなくて、巻煙草を取出しながら独りで燻し始めた。
「あれ、煙草盆も進げなかった」
と曾根はサッパリした調子で言って、客の為に宿から取寄せて出した。女学生はかわるがわる茶を入れたり、菓物を階下から持運んだりした。歩いて来た故か、三吉ばかりは額から汗が出る。
曾根はつつましそうに、
「まあ、そんなに御暑いんですか。私は又、御寒いと思っていますのに」
こう言いながら、白い単衣の襟を掻合せた。彼女は顔色も蒼ざめていた。
何時の間にか連の人達は出て行った。窓の障子の明いたところからは、冷々とした霧が部屋の内まで入って来た。曾根の話は、三吉の家を訪ねた時のことから、草木の茂った城跡の感じの深かったことや、千曲川の眺望の悲しく思われたことなどに移った。三吉は曾根の身体のことを尋ねてみた。
「別に変りましたことも御座いません」と曾根は悩ましそうに、「山を下りましたら、海辺へ参ってみようかと思います」
こう言って、それから海と山の比較などを始める。「たしか、小泉さんは山が御好なんで御座いましたねえ」とも言った。
三吉はすこし煩さそうに、
「医者は何と言うんですか、貴方の御病気を」