Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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いえ

家

島崎 藤村

Lee 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 126.748 caracteres · 254 pantallas

Aozora Bunko

何もかもこの娘には楽しかった。新しい着物に新しい前垂を掛けて働くということも楽しかった。晩には暇が出て、叔母の家へ遊びに行かれるということも楽しかった。

墓参りに行った人達が帰って来た。お種は直に娘の様子を看て取った。お仙の指からはすこし血が流れていた。

「大方こんなことだらずと思った」とお種は言った。「お仙ちゃん、母親さんが御手伝しますよ――お前さんに御手本を置いて行かなかったのは、私が悪かった」

お仙は途方に暮れたという顔付をしている。

「これ、袂糞でも付けさんしょ」とお種は気を揉んで、「折角今日は髪まで結って、皆な面白く遊ぼうという日だに、指なぞを切っては大事だぞや」

お春はお仙の傍へ寄った。お種は三吉の方を見て、

「ええええ、これだから眼が離されない……真実にこういうところは極子供だ……そう言えば、お前さん、今年の春もね、正太のお友達が寄って吾家で歌留多をしたことが有った。山瀬さんも来た。あの人は正太とは仲好だから、お仙を側へ呼んで、貴方もお仲間で御取りなさいなッて――ネ。山瀬さんがそう言って下すった。するとお仙が山瀬さんの膝に凭れて……まあ、無邪気なと言って無邪気な……兄さんだから好いの、お友達だから悪いの、そんな区別はすこしも無いようだ。