Clásicos japoneses con furigana
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ろうじゅうのめがね
小笠原壱岐守
佐々木 味津三
Lee 小笠原壱岐守 (ろうじゅうのめがね) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 57.249 caracteres · 115 pantallas
同時に女の態度がガラリと変った。
「追っつけ旦那が来るんです。来たら今の奴等よりもっと面倒になるから、早く逃げて下さいまし」
「先生々々。もう大丈夫ですよ。足音も遠のきましたよ! このすきだ。早くお逃げなさいまし!」
井戸から這い出して、小次郎たちふたりもせき立てた。
しかし、直人は不思議なことにも動かなかった。
「気味のわるい。どうしたんですえ。まさか死んだんじゃあるまいね」
怪しんで、のぞこうとした女が、
「まあ、いやらしい! なにをしているんです!」
目を吊りあげて、パッと飛びのいた。
鼻を刺す移り香を楽しみでもするように直人は、しっかりと女の枕に顔をよせて、にやにやと笑っていたのである。
「けがらわしい! 危ない思いをしてかくまってあげたのになんていやな真似をしているんです! そんなものほしければくれてやりますよ! 今に旦那が来るんです! とっとと出ておいきなさいまし!」
「すまんすまん! アハハ……。つい匂うたもんだからのう。ほかのところを盗まんで、しあわせじゃ。旦那によろしく……」
けろりとし乍ら這い出ると、直人は、にやにや笑い乍ら出ていった。