Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
Lee 尾崎士郎短篇集 (あきかぜとはは) de 尾崎 士郎 (おざきしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 108.032 caracteres · 216 pantallas
「ところが」
丸川が眼鏡越しに昂奮した眼をかがやかした。「――これ以上悪い状態が出てきますよ、どっちへころんだところで政治的権力は一方的にかたむくことはわかりきっているし、そうなったら残るものは政府的思想を宣伝するための通俗ジャーナリズムだけになるんじゃないかな、僕は今にきっとあそこの荒物屋のおやじやそば屋のおやじが肩で風を切って歩き廻るような時代が来ると思いますよ」
「そうも言えるがね、――しかし案外そうじゃないかも知れないよ」
内狩は何か言おうとして口をもぐもぐさせていたがそれきりでだまってしまった。それからまた話は一転して軍の勢力関係に移っていったが言葉がとぎれると今にも彼等の生活が根こそぎにうち壊されるような、――もはや昨日まで夢みていた未来というものが、そのおぼろげなかたちさえ消え去ったあとの味気なさだけが残るのであった。しかし、それから酒が出ると話はまた前にもどって彼等は何時の間にか元の観覧席におさまり舞台の上の俳優の動静について勝手な意見を闘わしていたが、話がはずむにつれてまだまだおそろしいものが何処かに影をひそませているという気がしてきた。