Clásicos japoneses con furigana
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やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
Lee 山の人生 (やまのじんせい) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 116.022 caracteres · 226 pantallas
大正十五年二月の『国民新聞』に出ていたのは、遠州相良在の農家の十六の少年、夜中の一時ごろに便所に出たまま戻らず、しばらくすると悲鳴の声が聞えるので、両親が飛び起きて便所を見たがいない。だんだんに声を辿って行くと、戸じまりをした隣家の納屋の中に、兵児帯と褌をもって両手足を縛られ、梁から兎つるしに吊されていた。早速引卸して模様を尋ねても、便所の前に行ったまでは覚えているが、それから先のことは少しも知らぬ。ただふと気がついたから救いを求めたといっていた。奇妙なことには納屋には錠がかかって、親たちは捻じ切って入った。周囲は土壁で何者も近よった様子がなかったという。警察で尋ねてみたら、今少し前後の状況が知れるかも知れぬと思う。
不意に窮屈な天井裏などに入って倒れたということは、とうてい我々には解釈しえない不思議であるが、地方には意外にその例が多い。また沖繩の島にもこれとやや似た神隠しがあって、それを物迷いまたは物に持たるるというそうである。比嘉春潮君の話によれば、かの島でモノに攫われた人は、木の梢や水面また断崖絶壁のごとき、普通に人のあるかぬところを歩くことができ、また下水の中や洞窟床下等をも平気で通過する。