Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

Lee 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) de 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 284.014 caracteres · 565 pantallas

Aozora Bunko

それでも好い頃合には、頭の上にのし懸っている左手の崖が、不意に鰐の口のようにカッと開いて、白い雪の山が吐き出される。何処であったか忘れたが、白馬も見えた。ずっと南の唐松五竜あたりであろう、尖った峰も二つ許り見えた。泊に来ると、左手の屏風が急に畳まれて、僧ヶ岳や駒ヶ岳の重なり合って大きく蟠まっている後ろから、劒ヶ岳の一部が大鋸の歯で空を引割っている。明日は中村君が此処から鐘釣温泉へ向う筈である。南日君は南日君で、暢気な男だから長次郎が旨く来ていて呉れればいいがと、自分の暢気は荷物と一緒に棚に上げて、頻りにそれを心配している。私達は今度の旅行の困難を慮って、なまじ案内者などは雇わず、前以て大山村の宇治長次郎に、気の合った者を一人連れて、二十五日の朝九時迄に間違なく魚津の停車場に来ていてくれと、折り返して頼んで置いた。承知したという返事も二度来て居るが、南日君の心配するのも尤もな訳がある。しかし汽車が魚津に着いて、荷物を下ろしながら外を見た時、真先に眼に入ったものは、今迄噂していた長次郎のニコニコした顔であった。同行の南日実君も既に来ていた。停車場を出ると、脊の高い男がのそりと来て挨拶する。