Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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やまのかみさつじん

山の神殺人

坂口 安吾

Lee 山の神殺人 (やまのかみさつじん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 10.014 caracteres · 21 pantallas

Aozora Bunko

神様をだます人々

平作の語るところによると、こうである。

その日は暮れ方から降りだした雨が、平作の立ち去るころにはドシャ降りになっていた。平作の家は町からかなり離れていて、小さいながらも一山越えなければならない。

平作はチョウチンを持ち先頭に立って山径を歩いた。どうにも一列でしか通れない道だ。ドシャ降りではあるし、お加久はお題目を声はりあげて唱えつづけているしで、ほかの物音はきこえない。平作は滑る山径を歩くだけが精一パイであったが、ようやく登りつめたところでふと振向いてみると、後にしたがってるのはお加久と兵頭だけで、不二男の姿が見当らない。

「オレのすぐ後が不二男の順であったが、まさか突然姿が掻き消えたわけではあるまい」

「坂の途中で小便の様子だから通り越して来たんですよ」

「バカヤロー。不二男の策にはまってズラカられたのだ。それで死神を落してやるの、性根を叩き直してやるのと、気のきいたことができるものか。もうキサマらに用はないから、とッととどこへでも消えてなくなれ。不二男の奴、もう、カンベンならねえ。警察で勘当の話をつけてもらう」

平作はジダンダふんで警察へ戻ってきたのである。